DASY

Drug Addiction Seminar for YOU 
since1993

About DASY

大切な方の薬物問題に心を痛める【あなた】のためのプログラム

大阪に全国で5箇所目の薬物依存のある人がスタッフを務める回復支援施設が開設されることになった1993年。その報道を受けて開設準備中の施設に問い合わせや相談をしてこられたのは、薬物を使用している人ではなく、誰にも相談できず困り果てておられたそのご家族でした。
 
こうした薬物を使用している人をなんとか助けようとされている方たちのために、同年7月に施設の名前を冠した「家族プログラム」という名称で、グループ形式の相談を始めることになりました。
 
その後たくさんのご家族のお話をうかがううちに、「どうしたら薬物使用を止めさせることができるのか?」と奔走されているご家族自身が、心身共に傷つき疲れ切っていることがわかってきました。
 
そのことをなんとかご家族にお伝えしようとしましたが、多くのご家族が「いいえ、私はなんともありません。どうしたらクスリを止めさせることができるのか、その方法を聞きに来たのです」と、薬物を使用されている方の言動について、その背景の分析も含めて詳しく聴かせてくださいました。
また、薬物を使用されている方が施設を利用されている場合は、その様子を尋ねてみえたり、またプログラムへの参加によって施設を優先的に利用できるのではないか等の期待をお持ちのようにお見受けすることもありました。
 
こうした経験を通じて、ご家族が薬物問題/依存についての知識を学ぶのは、ご本人の薬物使用を止めさせるためではなく、ご家族がご自身のことに目を向けて心を休め、ご本人とのよりよい関係を築いていくことに役立てるためであることを明確に意識するようになりました。
 
このような考えに立った場であることが伝わりやすいように、2000年に名称を現在のDASYとして、これまで活動を続けています。
 
そして名称を変更する以前の1993年当初から現在に至るまで、薬物問題に関する<正確な知識><安心して話ができる場>の提供を通じて、薬物を使用している人のご家族やご友人が元気を取り戻されること、薬物を使用している方とのよりよい関係の模索をお手伝いしています。

無償の活動へのこだわり

1993年の開始当初より、薬物問題への対応については多様な形があることは望ましいと考える一方で、ソーシャルワークの視点から、少なくとも初期相談については経済的事情によってそれを受ける機会に差が生じるべきではないと考えていました。
 
アルコール依存については、既に保健所で無料の「酒害相談」が提供されていたことから、薬物依存も同様に位置づけられることは可能であると考え、公的機関での対応開始への期待も込めて、利用者から費用をいただかない形を採ることにしました。
 
現在では薬物問題についても、公的相談機関で無料の相談が提供されるようになりましたが、ソーシャルワーク専門家としての研究成果の社会還元と地域貢献として無償の形を続けています。

安心してお越しください

本務があるため、現在は月に1日のみの提供となっています。
・パーソナル(個別プログラム)以外は、事前の予約は不要です。
・参加費は不要です。
・お名前やご連絡先をおっしゃる必要もありません。
・もちろんご相談の秘密は堅く守られます。
・なお、特定の機関/施設の推奨や紹介はいたしておりません。 

STAFF

プログラム責任者 Program Director
山野 尚美
Naomi YAMANO(Ph.D)
京都府立大学 准教授 博士(社会福祉学)
Kyoto Prefectural University, Associate Professor

精神科病院でソーシャルワーカーとして勤務した後、1993年より大阪で地域における薬物依存者の家族支援を開始。
 
大学では、薬物依存のある人とそのご家族に対するソーシャルワークに関する研究と共に、メンタルヘルス領域におけるソーシャルワークに関連する科目を担当し、精神保健福祉士養成にあたっています。
 
1994年のスウェーデンを皮切りに、アメリカ、オーストラリア、韓国、オランダ、イギリス、スイスで、薬物依存の治療・支援の取り組みについての視察や研究者との交流を重ねてきました。
 
DASYの活動以外にも、高知県、広島県、三重県等の精神保健福祉センターにおける薬物依存者の家族支援プログラムの立ち上げと継続を支えてきた他、保健、福祉、司法、教育等の各方面での講演活動を行っています。
 
研究者情報